動物の快適性に配慮した適正飼養指針
はじめに
2012年の法改正で「動物の愛護及び管理に関する法律(以下「法律」と略す)」の第二条(基本原則)に、第2項の条文が追加されました。
- 第二条(基本原則)
- 2何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない
これは、国際的な動物福祉(アニマルウェルフェア)の基本理念である「5つの自由」の趣旨を明記し、動物の適切な取扱いを求めたものです。このうち動物取扱事業者が遵守すべき事項については、関連法令や基準等(以下、「法律等」と略す)中に記載されています。
本指針は、すでに法律等に記載された動物の取扱い等に関する事項を「3つの要素(施設・管理・動物)」に区分し、「5つの自由(配慮すべき5項目)」の観点で評価する指標を提供することを目的とします。
5つの自由(配慮すべき5項目)
- A. 環境
- 動物に適した生活・滞在の場所を提供する
- B. 食事
- 動物に適切な食事を提供する
- C. 習性
- 動物が通常の習性を示せるようにする
- D. 仲間
- 動物に適切な仲間を提供する
- E. 健康
- 痛み、怪我や病気の苦しみから動物を守る
↓
3つの要素 | ||
---|---|---|
①施設 | ②管理 | ③動物 |
なお本指針で参照した法律等は、次のとおりです。
- 動物の愛護及び管理に関する法律
- 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則
- 動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目
- 展示動物の飼養及び保管に関する基準
対象となる施設および動物により、次に3部に分けて作業原案を作成します。まずは法律等に記載された動物の取扱い等に関する事項を「3つの要素(施設・管理・動物)」に区分し、「5つの自由(配慮すべき5項目)」の観点から評価する指標を整理します。さらに国内外の関連指針を参考に、自主的な取り組みが望まれる事項を追加します。